出逢い

「出逢い」という甘ったるい邦題から、カウボーイの恋愛物と思って見始めると、
中身は想像と違って意外に硬派。
企業に飼いならされた男が自分を取り戻す為に馬と旅に出る、
という物語だった。


この映画が公開されたのは1979年というから、
アメリカがベトナム戦争の暗い時代から、
80年代の軽薄な時代へ移り変わる時期だったのだろう。
その時代背景の中で、
アメリカの象徴たるカウボーイが商業主義に対抗する、という構造は、
とてもシンプルで分かりやすい。
物語は、ロバート・レッドフォード演じる、
カウボーイが自分を取り戻す所で終わるが、
その後のアメリカを知っている現在からすれば、
結局はおとぎ話だったのかもという物悲しさを感じてしまうのだった。