恋は五・七・五!

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今をときめく荻上直子監督の第2作目。
俳句甲子園を題材にしたいわゆるスポコンムービーである。


見ていてハラハラした。
物語に、というよりも、この題材を映画にしなければいけない監督の苦労に
ハラハラしたのである。
映画からにじみでる窮屈さがヒシヒシと伝わってきて、本当に同情するやらなんやら。
かもめ食堂」のヒットがなかったら、荻上監督はこのまま沈没していたかもしれない。
向いていない作品をやるのは本当に不幸だと思う。
この監督は人間の行動の面白さを描くのに長けているのであり、
題材なんかどうでもいいというのが本音じゃないだろうか。
この作品も、俳句なんかは2の次で、
監督の興味は俳句で集まった人々にしか注がれていない。
しかし、そのへんは大人の事情というもので、
なんとか俳句を活かしてくれ、という圧力があっただろうというのは、
容易に(というか鮮明に)想像できる。
そんな中でここまでやれたというのは凄いと思う。


おそらくミシェル・ゴンドリーなんかがこの映画を監督してたら、
俳句の世界をかたっぱしから映像にしちゃうんだろう。
それが風情に繋がるかどうかは別だけれども。
監督の指向にあった題材を選んであげる
(または題材にあった監督を選ぶ)のはプロデューサーの仕事だと思うが。